以前にも記事にしましたが、本当に多くのお客様からご質問いただくので、
リポストさせていただきます。
「山芋のお料理を作ろう」、「とろろご飯にして食べよう」などと山芋を調理し始めると、「すっごい黒いんですけどー!」と、思ったことはありませんか。
「この山芋、腐っているの?」と、不安になりませんか。
腐っていないにしても、体に毒かも。。。と思いますよね。
今回は山芋の黒くなる秘密について、書いてみようかと思います。
山芋が黒くなる理由
自然薯は皮を剥くと真っ白な色をしています。
ですが、空気に触れていくとどんどん黒くなります。
断面は真っ白な状態です。
擦り始め、ほんのり変色してきました。
だんだん黒くなります。
真っ黒になりました。
黒くなる理由は灰汁(アク)が原因だった!
ざっくりお話すると、灰汁の成分はポリフェノール類の酵素が原因。
ポリフェノールといっても、種類は数千種類もあるのですが、
山芋に含まれている「チロシン」や「クロロゲン酸」が
ポロフェノールオキシターゼの働きで酸化し、褐変(変色)します。
酵素の働きで酸素にふれると色が変わります。
度合いは系統による差が大きく、自然薯は特に褐変します。
生活習慣病予防に効果があるというポリフェノールですが、
空気中の酸素や金属と反応すると色素成分のメラニンを作り出し、
山芋を変色させます。
おもしろいことに、女性が気にされる
シミの原因になる成分と一緒なんですよ。
黒くなると腐ったような色になりますが、
酵素による変色なので、鮮度が落ちたわけでも
栄養価がなくなったわけでもありません。
個体差はありますが、一般的に平野で栽培したものと
山に自生しているものを比べると、山にあるものはアクが強く
成長するにも時間が掛かると言われています。
黒くならない方法
1. お酢
山芋が浸るくらいに水を入れ、お酢を大さじ1杯程度入れます。
お酢を入れるだけなので、コツのようなものはまったくいりません。
注意点として、お酢を入れすぎると酸っぱくなってしまいます。
酸味の効いたとろろが好きな方もいらっしゃいますが、
基本的にちょっとだけ入れれば黒くなりにくくなります。
2. 塩水
山芋をそのまま塩水につけると変色しにくくなります。
塩水に浸すと、灰汁が抜けるので変色されにくくなるんですね。
注意点は浸しすぎないようにしてください。
山芋がしんなりしてしまいます。
食感がなくなってしまい、栄養分も抜けてしまいます。
なぜ黒くなりにくくなるのか。
酸素に触れないようにすれば、酵素の働きを弱めることができるんですね。
灰汁が体に良い!
見た目に腐敗した印象がある黒いとろろですが、
ポリフェノールが多く含まれているという証拠でもあります。
栄養価が高いはもちろんですが、
最近の研究で褐変物質に抗ガン作用があることがわかったそうです。
当店の黒とろろは、特に褐変予防はしていません。
そのままの自然薯を味わっていただきたいと思い、
灰汁の変色予防はしておりません!
お客様によっては、
黒いとろろを初めて見て驚かれる方もいますが、
山の王様と言われる自然薯らしさでもあります。
「普通の山芋とろろでは物足りない!
あの味が忘れられない」とおっしゃっていただけることも多々あります。
是非、一度当店のとろろご飯を
味わってみてください!